世相風刺



世相風刺 N001

阿女里香通人

嘉永7年(1854) 23.5×32

		
"阿女里香通人
○ きんぱきんぱさんちよろ
かむなんほう
とくりいつ
ちやヲとろ
あるほうめ
んそとんくる
てきふくりん
たん○コウコウハア
紀於呂香譚
{上段}めでたいことを きんぱ
うれしい事を さんちよろ
かなしい事を めいそ
きんきんを にきゆるちん
てつぽうを ろんとう
いくさを しやゆう
ふねを かつて
けんくハを こうろまん
たばこを ぱん
きせるを ぱんつう
茶の事を うづい
さけを たらあか
とくりを とんき
米の事を てんとろ
さかなを あかつぷ
なまよいを とろんこ
水の事を じやむ
油を きんぷ
{下段}きものを しんひ
ふんどしを ふくかんぴ
きん玉を ふくりん
ほうづを くつうに
どうらく者を とろんぽ
りこうを すでい
ばか者を ぱあ
ねる事を へゑする
日がくれるを とつぷ
てておやを あちやさん
ははおやを かあとる
ていしゆを くろとや
女ほうを によりん
子どもを ちやあ
よき男を ゑんやろ
いろをするを へめゑる
ちんほこを ほうひじ
おまんこを べろんす"		

世相風刺 N002

ないものづくし(仮) 上・下

安政5年(1858) 24.5×19

		
"にんべつが
きへておてらの
帳(てう)につき
ナアかかアしぬほど
いいとはやおけや
せしがたの
いんどう
おほやわたすなり
さてもないないぜひがない
やまひのりうかう止(とめ)とがない
一(い)ときころりであつけがない
八(やつ)ツでをつるさぬうちハない
たれでもしにたいひとハない
夫(それ)でもしゆめうハしかたがない
ゐしやのかけつけ間(ま)にあハない
せわしいばかりでれいがない
あんまハよるひるひまがない
きうびやうミまいハほうづがない
おくびやうそばへハよりつかない
にんにくいぶさぬうちハない
いわしのやすうりかいてがない
ミづやハ水(すい)どをなぜくまない
やたいのたちぐいしてがない
しよにんのかほいろつやがない
とむらいちうやとぎれない
こしやのかけねハねきらない
やきばのつけこミらちあかない
白(しろ)むくそんりやうやすくない
おせらもなつしよもねるまがない
あなほりおやぢハせわしない
かいめうつけるにもじかない
亡者(もうじや)をほうむるぢしよがない
{袖に異筆}安政五年狐狢狸"		

		
"おおやハないしよくするまがない
ながやのぎやるしハはおりがない
そんりやうながくてまニあハない
かミさんなげきでいくじがない
むすこのぽんたハしだらがない
むすめハ十二でまだはへない
おやぢにとかれてたよりがない
ぱつちりとられてさハりがない
おなかのぽてれんぬしがない
とうとうとられてきやくがない
ミあがりするにもせにがない
かかるいんぐとなものハない
されどもふけいきながくない
やがてよのなかつつがない
やなぎだる
あわれとも思ハず
こしやかけねいい
しらぬがほとけ
とんだいいきぬきだね
おうじやうをはやく
する人ほとけなり
歯(は)ばかりとかうやへ
おくる
いいついで
{袖に異筆}安政五年狐狢狸 "		

世相風刺 N003

新板ないもの尽し

安政5年(1858) 16.5×38

		
"新板ないもの尽し
{前欠}
十一トセ いまハかいくわでばかわない
おかみのごきそくむりハないとてもがんこじやとうらない
十二トセ にほんさしたる人もない
しよこくのだいミようニしろがない
ひらけたあたまニまけがない
十三トセ さつまがすりハわるくない
とういときものハつよくない
ふるなりやつぎニもなりやしない
十四トセ しんのやみでもくらくないがす
とうランプにやみハないおまハり
さんニハゆだんない
十五トセ ごいつしんニハちがいない
がくこうのひらけぬくにハない
こちようづとめハらくでない
十六トセ どうせんだらニはあながない
ゆうびんたよりハおそくない
くにぐにべんりハわるくない
十七トセ しちやのばんとうハわからない
くどいてもかさなきやぜひがない
りそくがつもつてたされ
ない
十八トセ はまのけいきハわるくない
うりこみばんとうニヤむかハない
なんきんあたま■マケがない
十九トセ くにくにやどやにきやくがない
てつどうじようきにひまハない
のる人べんりでけがハない
二十トセ にほんのきんさつわるくない
いんさつおりめハかまハない
つうようするニハちがいない{袖に異筆}■■([欠損])ないもの尽し"		

世相風刺 N004

英国女王写真鏡

不明 22×29.5

		
"{横書き}英国女王(いぎりすこくによわう) 写真(しやうつしの) 鏡(かがミ)
毛利参樹写
○タラアカ 是(これ)ハ西洋(セいよう)の雨龍(あめりやう)なり
雲中(うんちゅう)に
飛行(ひちやう)して
雨をふらす
びんのなかいれ
薬水(やくすい)に
ひたし
あり
鼠(ねづミ)の如(ごと)く
両のつばさ地足(しそく)尻尾(しりを)あり
○ 英国(いぎりす)銀(ぎん)銭(セん)
表(おもて)に鋳(い)たる人の面(おもて)ハ
国王(こくわう)の像(ぞう)なり
裏(うら)によこもじ
あり
○ 人参果(にんじんくわ)
人のかたち木の
実(ミ)よりうまれいつる
○ 金体石(きんたいせき)
人のかたちの
金石(きんせき)なり 
○銀体石(ぎんたいセき)
これもおなじく
人のかたちのぎん
セきなり
いづれも西洋(セいよう)の
きぶつにして他(た)に
るいなし
○乾人魚(かんにんぎよ)人ぎよのひものなり
おもてハ亀(かめ)のごとくまた
人に似(に)たりミづかき
四足両手(しそくりやうて)を兼(かね)たる
ごとくミゆる干(ひ)もの
にして石よりかたしと
いへども全体(ぜんたい)本形(ほんぎやう)いささか
もそんする事なしとぞ"		

世相風刺 N005

流行百はらひ

不明 19.5×25

		
"流行
百
はらひ
アアラぜにないなないなとうじとうざのかんじやうを
天保せんではらひませう。両がへだなをながむれバ。
おかどにかけたる相場(さうば)ふだかきだすせにの大小も。
今年中(こんねんぢう)のぶ重(ちやう)ほう。ゑびすやといふいへな
さへ。つりがないとのことハりハ。きこへませんだい南部(なんぶ)ぜに。かきあつめても鐚(びた)百に。ならのはたごや
ミわのちや屋。せけんいつとうふゆうづうおおかたどこでか
しめかざり。だいだいどころよくとうに。ごまんざいざい
かたいなか。四里と四方の 大江戸を。すミから
すミまでたづねても。ゆくゑもしれぬせにのミち
五十の下ハさしひきを。ことハりがたきをはるまでに。
四かいなミせんたばねぜに。たくさんとりだすくらびらき
しんしやうまハすぜにぐるま。やまほどあつまるそのときハ
さいふのなかからつかミだし。当百まじりにはらりはらり"		

世相風刺 N006

謎々(仮)

不明 15×22.5

		
"ぢごくをするむすめ
かいこあきんど
まへをうつて金ニスル
ねらわぬてつぽふ
へたなやくしや
めつたにあたらぬこふゑきあきんど
十七八のむすめ
もふけがたくさん
女とふじん
わた入ふんどし
しめた物がないなんきんあたまけ
七ツすぎのかげぽし
へらぼふニながいおふしうの軍
ねがいさげたばん所
よふよふかたついた
おかミのうわさ
やつこのあたま
高くいわれないびんぼう人くらし
やすいけぬき
くつたりくわなんだりびんほふ人金玉
諸しきそふバ
あがたきりだ
今の世の中
秋のそら
かわりやすい
御大名御ふしん
いろけづいた娘
今ニはじめる
ぜにそふバ
女おまんこ
あがりさがりがある
今の女郎かい
ごせうのわるい人
ぢごくへゆく
今のいくさ
切みせ御客
てつほうがおおい
山の手御やしき
八十ばかりおちいさんの色事
もふできない "		

世相風刺 N007

なまけもの 御いけん 一ツとせぶし 下

不明 15×38.5

		
"なまけもの
御いけん一ツセぶし 下
▲十一トセいなかも東京もおなじ事
のらくらものでハミがたたぬ此なまけもの
▲十二トセにようぼこどもがありながら
せうばいきらいでくいこんで此なまけもの
▲十三トセさけハのミたしあそびたし
女郎ハかいたしせにハなし此なまけもの
▲十四トセしんぼするとハうそのこと
おかねをかりこむけいりやくじや此なまけもの
▲十五トセ五ゑん三ゑんかりちらし
しんだいかぎりのたねをまく
▲十六トセろんにたへたるなまけもの
いつでもおやぢのすねかぢり此こまりもの
▲十七トセ七ばちおゐてものミたがる
でんぱたうつてもかいたがる
此女郎かい
▲十八トセ八じ九じまであさねして
おきれバぶつぶつ口こごと此こまりもの
▲十九トセくわずとねているいくちなし
しじうハこもきていきたおれ此こまりもモノ
▲二十トセ日本一なるほらふきで
かりるとだますが名人じや此なまけもの "		

世相風刺 N008

当時流行ないものづくし 二へん

不明 15×23

		
"当時流行
ないもの
つくし 二へん
四里と四方の大江戸ハ
ものごとばんたんふそくがない
されどもじせつハぜひがない
しよしきハいまだにさがらない
武家方すこしもゆだんがない
御百姓かやくでひまがない
しよくにんこのせつしことかない
あきんどさつぱりもうからない
ほねをりぞんハうまらない
くたびれもうけハつまらない
金持ねつからほどこさない
かねかしにぎつてはなさない
高利でなけれバかしてがない
じついでかりてもかへさない
さいそくされてもしかたがない
五こくハますますやすくない
あぶらハめつたにとぼされない
もちもたくさんつかれない
おさけもたらふくのまれない
のんでもすこしもまいらない
ころばぬげいしやハはやらない
女郎しゆハ上きやくねつからない
あつてもこすくてぬけめがない
とうじのむすめはじよさいがない
男ぶりにハさてほれない
金でなけれバなびかない
だんなをとらぬハひとりもない
あめりか人でもいやがらない
ゑりにつかねバとくがない
てくだは女郎もかなハない
ときよときよハしかたがない
かせぐにびんぼうおいつかない "		

世相風刺 N009

ないものづくし(仮)

不明 15×41

		
"扨もないないしやうこがない
あめりか噂がさらにない
され共其侭すておかない
使せつの了けんわからない
世間のひやうばんわからない
ぢぢいやばばアにやうがない
其くせはらをなせたたない
夫でハ御まゑの気がすまない
家内のものいりたまらない
あるじのきも玉おちつかない
いんきよハ内にハ居られない
御奉行がたにハむりがない
御上のうわさハもつたいない
市川おや玉めんぼくない
かためのうハさハさらにない
目出たく御だいば用がない
知恵があつても金がない
手代の女郎買むりでない
其くせ主人ハ用がない
米やハ相場をなぜ下ケない
むすこの我ままほうづがない
なれどもばかでハござらない
上田のきものハはやらない
あたまをおさえる人がない
わきからなんともいわれない
能ひかわるいかわからない "		

世相風刺 N010

ないものづくし(仮)

不明 11×29

		
"てつぽうふきばハやめとうない
長州のはなしもまことかない
下々かせけとおつつかない
一合二夕じやくらされない
ぶけかたけいことひまがない
殿さまかハりもわからない
ゆせんも直上ていりがない
こんにやくばかりハたかくない
かつたもめんにや尺かない
けんふハたかくて手がだせない
はだかでせけんハわたられない
ふんどし一本かわれない
それてもふりちんしやいられない
手ぬぐひ四面じやかぶられない
此せつ女郎やきやくがない
かいたいおきやくハぜにがない
とんまの人にもしかたがない
なにをして見てももうからない
四五年このかたまつりもない
物見ゆさんもてきそもない
やねぶねなんそものりてかない
おかミのおふれにやそつかない "		

世相風刺 N011

しん板どうけ三十六歌仙

不明 14×22

		
"しん板どうけ三十六歌仙
天じ天王
あきれたよあんまり
こめのたかいので
かかアと子どもと
くらしかねつつ
ぢとふ天王
はるすぎて
しよしきハだんだん
たかくなるなにニ
つけても事を
かく山
柿本人丸
かミがたのひきやくハ
江戸へくだれども
とののかへりハ
いつやわからん
山べ赤人
どこのうちに
はいりて見ても
米の事たかいたかいと
人がふりくつ
はる丸大夫
をくひちのたんすハ
からでぼろもなし
あがきつまツて
ぢつにかなしき
中納言家持
かすかねの元より
あつきつらのかわ
りそくつもツて
ぐちとなりぬる
あべ仲まろ
女郎のはらへのぼりて
見ればかさツかき
よこねがでると
きんがつりふね
喜せん法師
我うちハものの
たかいでばん太郎
やきいもばかり
よくうれるをわ
せミ丸
こなやそばひきわり
までもやすくない
ひるもやしよくも
みそでけんやく
小の小町
花の江戸ハ
あさ草ばかり
にぎやかで芝居
を見ればいつも
はんぜう
参儀篁
ほどこしを
もらつた人ハあり
がたいだしたる人は
きんがつりふね
僧正へんぜう
あまつさへ子ども
のきものひちに
やりかかアの
すがたぼろで
見られん "		

世相風刺 N012

どうけ三十六かせん

不明 17.5×23

		
"どうけ
三十六
かせん
五足斎
延命著 ([印])
鴇翁
黄金花
さくとハ
これぞ茶の枝
厄除三十六歌仙(やくよけさんじうろくかせん)五足斎述
てんぢ天わう
あきれたよはりや
くすりのまもあらで
ただころころと人ハゆきツツ
ぢとう天わう
たるぬきてかつぎに
けらししにたへの
子どもなくてふあまのかき原
柿本人丸
おひやくどやこりとりの
ものさわきにハ
ながやのきやうじひとりめいわく
山辺赤人
どこのうらもかぞへて
ミれハしにたへのとしの
たかねにたるハうれツツ
まる丸大夫
きくやミによミち
ふミわけゆく人の
こゑきくときそやきはかなしき
中なごんやか持
あなほりのねだれる
ぜににどぶろくの
しろきをのめバ目そさめにける"		

世相風刺 N013

どうけ三十六歌仙上・下

不明 15×23,15×23

		
"どうけ三十六歌仙上
天じ天皇
あきれたよ
ぜにのそうバの
やすいので
米も高ねで
人ハなきつつ
ぢとう天皇
はるくれど
をやしきしよしよが
はらになり
でいりの人が
事をかく山
柿本人まろ
さしひきの
文久せんハ八百で
くずして見れば
めにもたたない
山べ赤人
どこのうちに
はいりて見ても
人々があきない
ひまでぐちをいいつつ
はる丸大夫
おくさまも
江どの事を
おもいだしおくにハ
いやとゆうハかなしき
中納言家持
がさつかきの
かいたるはなに
おしろいの
くさきお見れバ
めぞさめにける
あべ仲丸
かかアのはらへ
のほるがいなや子お
はらミかねの
ないのできんがつり舟
きせん法師
我うちハ
そう作つきの
かしたなでよの
ふるいので人ハ
かりない
小の小町
花の江戸ハ
うつりにかハり
をやしきを
ミんなこハして
はらとなりける
せミ丸
これやこの
いくもかへるも
御大名しるも
しらぬも長州
のせつ
三儀たかむら
ねづのほふ
ひやかし見れバ
きやくハなし
女郎ハあくひで
くちがつり舟
僧正へんぜう
あまつさへ
しこくにでるも
くゑぬゆへ
おつとのためと
しバしととめん

"		

		
"三十六かせん下
藤原よし孝
きミのためいのちを
すててたたかいも
ぶしのかがミと
おもひけるかな
右大将道つな母
なげきつつなんきんこめ
のおかいでも
うつかりしてハ
くへぬかなしさ
大なごん公任
かねのおとたへて久しき
うへのやま此頃
あいてかねも
なりける
大二三位
ありかたやかミのおじひ
で下々ハミな
あんらくニたもかりぞする
いせ大すけ
いにしへの百に一舛ニ
引かへてけう此頃ハ
百に八ク
前中納言まさふさ
高いのハお米に
あぶらくう物よ
安いわぜにと
人のきうきん
前大そふ正行そん
もろともにあわれと
おもへうら店もの
一日ふれハ
くう物もなし
れうぜん法し
きびしさにぢごくも
ミんなしばられて
つまらないよと
ぐちを夕ぐれ
ごとく大寺左大臣
ほどすぎて上のの山を
ながむれバ
だだてつぽふの
穴ぞのこれる
道いん法し
よこはまハても
はんぜうになる物か
よし田のはしも
かねニなりけり
ごとバいん
金かしの人も
うらめしなさけなや
りをとりなから
金かさぬとハ
順徳院
もも引を四百に
うつてめしをくひ
はら一はいに
ならぬなりけり "		

世相風刺 N014

どうけ三十六歌仙

不明 21×28

		
"どうけ
三十六
歌仙
出火のできた
こくげんハ十四日の夜の 八ツ山
火事ハ
あちこちへ とび坂
くらをおとした人ハ
みんなかほが 青山
しんだ人の
かずハおよそ 百人町
こやがけを
みないそいて 駿河台
御すくひ小屋をたてて
御上様のおじひハじつに 深川
やけたところへおすくひの
てるはなしハ 本所
火事のしめつたこくげんハ
十五日の夜のおおかた 四ツ目
{絵図内に文字有}
御小屋にて産を
する時ハ
御上様より取あげ
はばアいしや並ニ白もめん一反うぶ
ぎ一ツしめしだらい
までじさん候
御小屋入のとき
元手銭下される事
御救小屋
外神田
佐久間町
天ぢてんわう
あきれたの
大火事ゆへに
のじゆくして
わがこどもらハ
つゆにぬれつつ
じとう天わう
はるやけて
なつすへから
ふしんして
またもやけたで
ことをかくやま
かきの本の人丸
あしよハが
たすけくれろと
たのめども
いのちおしさに
人ハかまハず
やまべのあか人
どこのうちも
うちいでミれハ
おそろしい
やねのたかねニ
火のこふりツつ
さる丸太夫
おくさまハ
もみぢ
さるきを
ひきつれて
にげゆくときの
こゑぞかなしき
中なごんやかもち
からかねの
きぼしも
たしかおちニけり
白木や見れバ
ひるやけニける
あべの中まろ
やけのはら
ふりむきみれバ
かすかなる
下谷のほうで
いでし火事かも
きせんほうし
わがいゑハ
江戸はしきんじよ
しかもるす二ど
やけたりと人ハいふなり
小のの小町
かほのいろハ
くすぼりにけりな
やけし人
ゆききの人が
ながめせしまに
せミ丸
これハこの
だいじなりのと
ほしがるな
しぬもしなぬも
ごうよくのせき
さんぎたかむら
わたしばを
しんきにかけて
こきいてぬと
人にハつげよ
はしのかりふね
そう正へんぜう
あの風で
くもをかすみと
やけてくる
竹丁がしで
しばしとどめん
{袖に異筆}読売滑稽 "		

世相風刺 N015

どうけ三十六歌仙(仮)

不明 17.5×23

		
"あべの仲丸
こつがハらふりむき
ミれバわづかなるやきばの
てらにくさきけむかな
喜せん法師
なまうをハいわしに
さしミくわですむ
ようしにますと人ハいふ也
小のの小町
かをのいろハかわりに
けりないまのまにあなに
いる身となりにけるかな
せミ丸
こしやたるてらも
やきばもこまれてハ
しぬるしなぬも大かたの禁
さんぎたかむら
くだりはらゐしや
さまかけてよびくれど
しぬミハくげんすぢがつり舟
中なごんゆきひら
なきわかれいなかへ
ゆくもひまゆへに
ぜにとしきかハ又かへりこん
光孝天わう
をやのためよるよなか
でてよたかするわが
子どもらハ人にされツツ
ようぜいゐん
やきばねのつねより
たかき小づかハら
こしぞつもりて山と成ぬる
在原なりひら
ゐしやハこづはりゐも
きかずたつたいま
まだまもないについころりとハ
河原左大じん
しちをきのしのぐ
やりくりなにゆへにやすミ
とめにしわれらハなくに
西行法師
まけぬとてこしやハ
ものを思ハする
かけねがをなるかか泪かな
いせ
あきなひのミぢかき
ぜにのもうけさへあわで
つま子をすごしてよとや
藤原としゆきあそん
すミかへのゆらも
かどなミきりかへや
客のかよひぢひとりもあらなん
文屋やすひで
すきはらにあをる
おさけのうまけれバ
むびやうやまひもあらじといふらん
菅家
このたびハゐしやもまに
あわずしでのやまよミ
ぢのたびぢ神のまじない
小しきぶないし
大やさまたな子の
やちんずるけれバわけ
ききもせずすぐに店だて "		

世相風刺 N016

浮世又平名画奇特

不明 31.5×40.5

		
浮世又平名画奇特 		

世相風刺 N017

やぼたいし(仮)

不明 19×24

		
"唐船帰(とうせんかへる) 役船止(やくせんとまる) 廻船通(くわいせんかよふ) 漁船勇(りやうせんいさむ)
職人惆(しよくにんなやむ) 芸人表(げいにんあハれ) 士人 (しにんいそがし) 町人苦(ちやうにんくるしむ)
諸国固(しよこくかため) 異国(いこく) 弱(よわる) 神国勢(しんこくいきおひ) 万国恐(ばんこくおそれ)
芝家飢(しばやききん) 娼(じやうろ) 家(や)塞(ふさぐ) 質屋痩(しちややせる) 大家慎(おおやつつしむ)
諸家備(しよかそなへ) 国家為(こくかため) 清家政(せいかまつりこと) 民家悦(ミんかよろこぶ)
城中侍(じやうちうさむらい) 日中勤(につちうつとめ) 心中痛(しんちういため) 夜中休(やちうやすむ)"		

世相風刺 N018

武鑑の戯文(仮)

不明 19×25.5

		
"{上段}北雨李加家
意国(イコク)天皇後胤(テンノウノコウイン)
雨李加(アメリカ)條喜撰(シヤウキセン)入道
郷秀斎(コウシウサイ)二十一代孫(ソン)也
蘭姓後北南ノ姓ト改
雨李加大隅守安平男
舎弟安元 雨家北南ト別ル
○乗行(ノリユキ)称北ノ太守隠岐守
国行(クニユキ)尾張守号帰着斉
諸国(モロク)入道安心斉
国遠(クニトヲ)志摩守実南家ノ男
女子浦賀(ウラカ)伊豆(イヅ)守室(シツ)
女子芝浦(シバウラ)台馬(ダイバ)室(シツ)
某(ソレガシ)早弼
安泰(ヤスヨシ)甲斐リ守四艘
泰平(ヤスヒラ)武蔵(フンヨク)隙成(ヒマナリ)養子
春待(ハルマツ)諸方(モロカタ) 固(カタメ)之進養子
■不着丸(フチヤクマル)
{中段}上裏賀御門沖 江戸ヨリ十八里
元北之間 大海之間
丑六月三日意国舟渡水四般
雨李加甲斐リ守安泰
御内室海岸大馬ノ介長治娘
{指物の説明}上キ白内ひげ
せんだん巻
唐人笠爪折
金紋
麦はうぶへ
二本共先ニ並
押もん黄黒つつぽう
船頭くろんぼう
献上書翰三通金銀若干水銀若干宝石種物
拝領偏遠所御台馬刃之錆
参府御暇之節早船御注進番
御嫡
雨李加不着丸■
御内室
{指物の説明}上アヲ赤黒やくひげせんたん巻
唐人笠爪折
金紋(プン)
すりかねたいこ
二本とも先ニ並
押もんくろてつほうかた地小もんのたよ
船頭くろんぼう
纏
シヤグマ
金
キン
船印
{下段}陳谷伊勢イ
野陣播磨
寺社内借人
▲固現重郎
▲番野貫木
中谷根津
蚊ニ桑礼
四般北へ右衛門
▲鍛治谷音之進
▲大剣砥右衛門
武具家金右衛門
馬具司茂宇毛
▲勤番成之進
▲大馬新規之助
▲武芸磨吉郎
▲武器新太郎
▲甲冑求女
中 本牧羽田
中 大森品川
下 芝佃島
下 洲崎中川沖
治宗派
安台寺
時献上
獅子ノ皮 五色羅紗 猟虎(ラツコ)皮 国産類
珊瑚珠 猪(ブタ)漬一樽(ソン) 貴石ノ品 交恵キ品
一万三千里 居城北雨李加郷秀国一名外異国江戸ヨリ海上五千余里
弘安四年蒙古ノ大船着ス神風ニ破ル嘉永二酉年伊年(イン)
義利亜(リス)来着ス又嘉永六丑年六月三日北雨李加州
上喜撰四船ケ渡来此以後末代マテ来船スル事無シ"		

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