官許錦画百事新聞



官許錦画百事新聞 N001

官許錦画百事新聞 第八十四号

不明 25×18

		
"女房盛りを白歯の島田僅(わづ)かの代賃(あたへ)を
あてにして賎(いや)しき情の隠(かく)し売ハマアどふした心で
ござりませう親も夫も泥(どろ)水へ引出む悪魔のわざか晴(は)れて廓(くるハ)
の全盛でさへ苦界(くかい)といふでハござりませんか大坂府下北平野
町一丁目宿屋渡津はる御千
御年方にて見つけられました
淫(いん)売ハ
「天王寺村山本善之助娘ゑい十九年「富津丁二番町山下捨松
娘たね二十一年「空堀町宮内勇造娘こま十五年「日本橋筋
五丁目松田茂吉妻こよ二十年「南本町四丁目山田文吉妻なを
「日本橋五丁目平井国松妹千代十六年
「日本橋五丁目小川巳之助妻やす三十五年
「内本町三丁目浦谷百造娘ふね十九年
和歌山県紀伊国浅本町亡辰右衛門
娘巽とみ二十五年
このおのおのハ穢(けがれ)を世間へふるう
御連中なるをお巡り梅木
さんが勉強(べんヶう)て捕へられ
恥かしい事で罰(ばつ)を請うよりもちつと
外の稼(かせぎ)もありそふな物でごさります縫ばりの
手一ひとつにて親夫への孝(こう)心貞操(ていそう)は是まで新
聞に手本もござります学校(がつこう)の
子供衆がたに読(よ)んで
おもらいなされ
ませ "		

官許錦画百事新聞 N002

官許錦画百事新聞 第九十五号

不明 25×18

		
"大坂府下松屋町周辺の呉服店で
二十年ばかりの男が買物していましたが
その足元に五円札が一枚落てあるから店の
子僧が拾いあげモシこれハあなた
のでハござりませんかと男に
問いますとハハ私しのでござり
ます大きにおせハさまと二十年ばかりの男が受取り懐(くわい)中するところへ
奈良県下とかの女中さんが一目参に馳(かけ)来今此御店で五円札を
落しましたが見当りある事ならわたくしへおかやし下されといふから
それハ此男さんの持用と
ききましたからおわたし申
ましたときき女中ハ二十年斗の
男さんにむかひモシどふぞ出して下
されとていねいに一礼をのべたのみま
すれど男ハ決(けし)てかへさずかれこれと
論(ろん)じあふ所へお巡りさんがききつけて両人
ともおしらべに就(つ)きましたそふなが世
界(かい)の宝一毛一厘でも大切(せつ)にせねバかふ
いふそさうが山々有ますおこころへのため
おしらせ申升すが此扨もかるかるしく若いしゆの耳に入り
引はり合ひになるとハとふ言ふ
五円で五座りませう "		

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